昼過ぎからRIZINを観戦するのが大晦日の恒例行事となっています。
カード編成について
2023年最後の日も、全17試合というなかなかのボリュームで開催されたRIZINでしたが、皆さんはこの試合のカードや並びをどう感じられたでしょうか?
見解の分かれそうなカード編成ではありましたが、レベルの高い総合格闘技の試合と話題性のある試合がいい感じでブレンドされていて、それなりによかったんじゃないかなと思いました。
わたしとしては、盛り上がった試合内容が多くて満足度も高かったですし、いわゆる”神興行”といってもいいくらいご機嫌なイベントでした。
各試合について
事前に気になっていた試合は、「篠塚辰樹 vs. 冨澤大智」「スダリオ剛 vs. 上田幹雄」「扇久保博正 vs. ジョン·ドッドソン」「平本蓮 vs. YA-MAN」「フアン·アーチュレッタ vs. 朝倉海」「堀口恭司 vs. 神龍誠」あたりでしたが、どの試合も、結果も含めて大いに楽しめる内容でした。
以下、上記試合の短評です。
篠塚辰樹 vs. 冨澤大智
紆余曲折がありつつも現Krushチャンピオンまでたどり着いた篠塚選手とブレイキングダウン最強と言われている冨沢選手の試合。
キャラ的には冨沢選手の方がまじめな雰囲気ですが、ここはKrushの現チャンピオンの篠塚選手を応援しながら観戦していました。
以前から、篠塚選手のパンチのキレと目の良さは人並みはずれていると感じていましたが、その非凡さが大いに発揮された試合でした。
終始余裕を見せる篠塚選手が、2度のダウンを取って判定勝ち。戦ってきたレベルの違いを見せつけるような内容に感じました。
スダリオ剛 vs. 上田幹雄
相撲 vs. 空手となったこの試合。空手出身のわたしとしては、当然、前極真会館世界大会チャンピオンの上田選手を応援しながら観ておりました。
スダリオ選手のプレッシャーやパンチ力に押されながらも、上田選手は落ち着いて蹴りを当てていましたが、やはりスダリオ選手のプレッシャーが強くてちょっと心配な展開となりました。
しかし、2Rが始まってすぐに、上田選手の左の上段膝蹴りが見事に決まり、その後パウンドアウトによりKO勝ち!
世界に通用する日本人ヘビー級同士の対戦を上田選手が明確に制し大変価値のある勝利となりました。
あとは、試合後ごちゃごちゃ言うというスダリオ選手のいつものムーブでしたね(ー ー;)
扇久保博正 vs. ジョン·ドッドソン
UFCでタイトルに挑戦するなどフライ級のトップ選手として活躍したジョン·ドッドソン。
わたしのイメージでは超強豪なのですが、最近のファンにはどういう風に受け止められているのかちょっと気になるところです。まぁ年齢もすでに40ですしね。
事前の予想では、扇久保選手が前半を耐えて後半に勝負をかけ、寝技勝負に持ち込めるかどうかが見どころかな、というような想像をしておりました。
実際の試合では、扇久保選手が粘り強く戦い、一進一退の攻防が繰り広げられましたが、判定で3-0、扇久保選手の勝ちとなりました。
フライ級のトップで戦えるという存在感を見せた扇久保選手は、堀口選手との4回目の対戦を目指すことになるのでしょうか?
平本蓮 vs. YA-MAN
個人的には、2023年の大晦日RIZINのメインイベントとして期待しており、気分はもう試合前から最高潮!
試合は、ボクシングの技術でわずかに上を行く平本選手がYA-MAN選手を捌くという展開が続きましたが、レベルの高い打ち合いが終始続く大熱戦でした。
勝負を分けたのは、打撃の差というよりも、四つ組などのスクランブル状態での経験や力の差だと思います。経験と力の両方で、平本選手の方が優っていた印象です。
グレコローマンレスリングの強さ、テイクダウンを取られても完全に背中を抑えられないこと、倒されても立ち上がる技術など、総合格闘技の試合においてストライカー出身の選手に必須の要素が改めて分かるような試合内容で、そういう意味でも意義のある試合であったと思います。
補足すると、グレコローマンレスリングの強さとは、お互いが脇を差し合う状態でのコントロール力・バランス力・体力・テクニック等の強さのことです。
一言でいうなら、寝技に持ち込まれないように耐える技術や力でしょうか。
この試合を制した平本選手は、朝倉未来選手との対戦をついに実現させるのでしょうか?
2023年の朝倉未来は選手としての価値をかなり下げてしまったので、平本選出としては実現に近づいたともいえるでしょうが…
2024年は未来選手の巻き返しにも期待したいところではあります。
ファン·アーチュレッタ vs. 朝倉海
アーチュレッタ選手のまさかの2.8㎏の体重超過により、タイトルはく奪となった試合ですが、海選手が期待通りの役割を見事に果たし、元谷友貴との試合に引き続きまたもやボディへの膝蹴りによるKO勝利を収めてくれました!
ただ、体重超過のペナルティとして、海選手が勝ったときのみチャンピオンと認め、アーチェレッタ選手が勝った場合はノーコンテストとすることについては、もちろん理解できますが、過度な減点をアーチュレッタ選手に課すことで、ほぼ絶対に判定で勝てないという状況を作ってしまうことはどうなのかとも思いました。
大きすぎる減点の結果、アーチュレッタ選手は本来のファイトスタイルとは違う戦い方を強いられることとなりました。
アーチュレッタ選手へのペナルティは当然という意見も理解できますが、海選手の勝利の意味が薄れてしまう状況を作ってしまうのも問題ではないかと感じました。
ここは議論が必要だと思いますので、様々な意見を聞いてみたいところです。
堀口恭二 vs. 神龍誠
堀口選手のアイポーク(目突き)によりノーコンテストとなっていた試合(2023年7月開催「超RIZIN .2」)の仕切り直し戦が、大晦日のメインイベントでした。
試合の前半は、神龍選手が組技の力をいかんなく発揮して攻勢をかけ、堀口選手が耐えるというまさかの展開。2Rから、徐々に堀口選手のパンチが当たりだし、神龍選手の力が落ちていくように感じました。
最後は、堀口選手が裸締めで勝利しましたが、堀口選手の腕の隆起というか、力の入り方が見た目にも凄くて、あれだけがっちり首を絞めらながらもあの時間を耐えた神龍選手にむしろ感心してしまいました。
堀口選手はUFCへの再挑戦を希望しているようなので、RIZINで彼の試合を観られるかどうかは、RIZINが魅力的な対戦相手を用意できるかにかかっていそうです。
ただ、そんな対戦相手はなかなかいないでしょうし、わたしとしては本人がUFCに行きたいなら挑戦して欲しいかな…
2024年のRIZINとキックボクシングへの期待
RIZINは2024年の興行予定をどんどん発表しており、5月には「鈴木千裕 vs. 金原正徳」RIZINフェザー級タイトルマッチが発表されました。
今年も”RIZIN”ブランドは健在のようで、日本の格闘技のメインストリームを突き進んでいくような雰囲気ですね。
でも、できれば今年は、K-1、RISE、knockoutやシュートボクシングなどのキックボクシング団体の合同で、RIZINに負けないようなイベントを開催してもらいたいと切に願っています。
各団体の対抗戦も続いている状況ですし、今が最大のチャンスだと思います。
個人的には、格闘技で最も華のある選手が多いのはキックボクシングだと思っていますし、その魅力がファンに伝わるようなイベントが継続的に行えるような基盤を作ってほしいですね。