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インタビュー百人組手 2人目:Part 2

道場は、格闘技の練習をする場だけでなく、人々の生きる道が交錯する場所でもあってほしいと願っています。

そんな空我道場に集う愉快な仲間たちの、豊かな個性やエピソード、格闘技を練習に感じている魅力などを深掘りしたく、私ミカミがインタビューさせていただきます。

Iさん

空我歴:2023年5月入会

きっかけ:お父さんと弟さんがボクシングをやっていたことからキックボクシングに興味を持ち、現在は週に2回くらい練習中

キックボクシングを始めてから、以前から続けているピラティスの動きも良くなったと褒められるように!

戦績:他の人が試合に出るかは気になるけれど、自分の試合の予定は今のところなさそうです笑

韓国出身のIさんへのインタビュー後編では、BTSも行く徴兵制度などについてお聞きしました。

目次

徴兵制は韓国ではすごく大事で、センシティブな問題

ミカミ

空我道場では格闘技をやっているので韓国の格闘技事情が気になっていて、日本と韓国の格闘技では徴兵制があるかどうかが大きな違いになっているのではないかと想像しているのですが、徴兵制について教えていただけますか。年齢や期間とか、その辺りから。

Iさん

私も日本が長いので情報のアップデートが必要なんですが、以前より期間は短くなってるとは聞いています。一般的に陸軍の場合は、最近は2年間まではいかないようです。韓国では大学1年生になる年ですが、18歳になったらまず検査を受けに来てくださいっていう通知書が来ます。無理な場合は時期をずらすことができます。

でもまあ、いつまでもずらすことはできないので、私の大学時代の友だちでは、早い人だと大学一回生の下期から軍隊に入った子もいます。ほかは2回生とか3回生とか。自分のタイミングとか勉強のスケジュールもあるでしょうし、人それぞれです。

ミカミ

だいたいは18~22歳ぐらいの間ですか?

Iさん

一般的にはそういう印象ですね。大学院に行きますとか、公務員試験を受けますとか、特別な事情があればもうちょっと伸ばせて、理由があれば最長で35歳まで伸ばせます。

ミカミ

どんな事情があっても、すごく有名なサッカー選手やアイドルでも、たとえBTSでも、例外なく行かないといけない?

Iさん

そうです。ただ、サッカーの大きな大会で優勝したりすると免除されることもあります。BTS の場合は色々なところで貢献はしたけれども、徴兵に関してはもう例外なく行きます。

ミカミ

むしろ行かないって言いにくいのかもしれないですね。徴兵を避けたとなるとイメージダウンして、今後の活動にも大きく響く。

Iさん

それはあります。徴兵制は韓国ではすごく大事で、センシティブな問題です。それでも、徴兵制をうまく避ける人たちもやっぱりいて、ちょっと言いにくいですが、例えばアメリカ国籍に変えてしまうとか。

ミカミ

徴兵逃れですか。

Iさん

それが本当に目的なのかどうかはわからないですが、例えば財閥や芸能人が子どもをアメリカで産むと、徴兵を避けるためじゃないかって非難されます。本人が徴兵に行かなかったら、ずっとそのイメージを引きずります。有名な俳優だし演技もいいし良い人だけど、でも徴兵いかなかったよねって。

以前、とても有名な歌手で、アメリカ公演に行くと言って市民権をとって帰国しようとした人がいますが、韓国政府が拒否しました。もう20年くらい前の話ですが、今でも観光ビザは取れるけれど、就労ビザは取れないので仕事はできないです。私もその歌手のことはけっこう好きだったんですが、あーそういう人なんだって、イメージがガラッと変わってしまいました。

ミカミ

国民の義務を放棄したというような。

Iさん

そうです。韓国人として、私もやっぱりそう思ってしまう。そもそも、韓国は休戦してるとはいえまだ戦争中でもあるし、私自身の弟も今軍隊にいるし、私は忘れられないし、忘れないです。

ミカミ

弟さんが今まさに徴兵制で軍隊にいらっしゃる。徴兵に行ったことで何か変わることってあるんでしょうか?例えば見た目や話し方などから、その人が徴兵に行ったかどうかを見分けることができますか?

Iさん

見た目ではちょっとわからないですけど、ちょっと話して、考え方とかをいろいろ聞いてるとわかりますね。

ミカミ

どうかなって探りながら話すとして、5分話したらわかります?

Iさん

うーん、まあ、質問にもよると思いますが、大げさに言えばわかるかな。

ミカミ

徴兵に行った男性にはどんなイメージがありますか?例えばですが、話し方がしっかりしているとか、魅力的とか、成長しているとか。

Iさん

成長しているというのが一番ふさわしいと思いますね。ある意味強烈な社会を経験をするわけなので、思いやりとか目上の人への言動とかがしっかりしているとか、どう言えばいいか難しいですけど。

ミカミ

韓国はもともと儒教の教えが強いので、目上の人に対する行動は子どもの頃から厳しいのかなと思っていたんですけど、それが強化されるのでしょうか。

Iさん

例えばおばあちゃんやおじいちゃんとか、目上の人に対する言葉遣いや失礼のない行動などは、子どもの頃に家族のなかで自然に身につくところはありますが、どの程度かは家庭や家族の関係によると思います。

でも、軍隊は男性社会で階級がしっかりあるので、年齢に関係なく、ルールを守って、上の人に対する言葉遣いや言動をしっかりしないといけない。

ほかは、片付けとかもちゃんとしないといけない。そんな生活が2年間続くわけです。

ミカミ

片付けは、ぼくもちゃんとやらないといけないなと思います。はい笑

Iさん

あとは、毎日訓練以外にも運動するし、規則正しい生活をします。

これはおもしろい話として言うんですが、韓国のアイドルはスタイルを良く見せるために極端に痩せている人が多いんですけど、軍隊に入るとちゃんと朝6時に起きてご飯食べて運動する、そんな規則正しい生活をずっと続けるので、筋肉質になったり少し太ったり、いわゆる健康になるんですよ。

ミカミ

ところで、韓国では、一般的に体がしっかりしている人のほうが人気があるんですか?日本では、最近は変わってきたかもしれないけれど、華奢なほうが人気があるイメージがあります。分かりやすくジャニーズ系と言っちゃおうか。ジャニーズは問題があるし、もう存在自体がなくなってしまったけど笑

Iさん

アイドル系ですね笑 個人的な感想になりますが、韓国では一般的に男らしさが人気あるかな。日本に来たときに、男性がすごく細くてびっくりしました。今は逆に、たまに韓国に帰ると男性の体格がいいのでびっくりします。

ミカミ

格闘技を見てても、韓国の方は全体的にフィジカルが強い人が多いなと思いますね。徴兵制も関係してくるのかもしれませんね。

Iさん

まあ細い人はずっと細いけれど、私の周りの人たちでも運動したり、体を鍛えている人が多いですね。

もし今戦争が起これば弟が前線に行くことになる

ミカミ

少し話を戻しますが、韓国は休戦中だと先ほど仰ってましたが、韓国社会は緊張感を抱えている感じはあるのでしょうか?

Iさん

私の場合は、弟がまだ軍隊にいるので、もし今戦争が起これば弟が前線に行くことになるので、緊張感があります。弟には、もし何か起こったらあなたはどうなるの?いつ参戦することになるの?ってよく聞きます。

ミカミ

家族が徴兵に行っているとリアルに考えざるを得ないですね。

Iさん

今の若者は、休戦中とは知っていても戦争がどういうものか分からない人が多いと思います。

少し話はズレますが、特に政治家が戦争と関係のあることをネタにするのはどうかと思っています。政治家は自分たちのいいように戦争をネタに使うけれども、何度も聞いているとまたかと思ってしまう。緊張感がなくなったり鈍感になってしまって、本当の戦争というのをみんな忘れていくんじゃないかと思う。北朝鮮も北朝鮮で、こうしてくれああしてくれって赤ちゃんみたいに脅してきて、本土にミサイルが落ちてきたらどうしようって日本も含めて周りの国は怖がってしまう。韓国は韓国で、またかって緊張感がなくなる。

全部個人的な感想ですし、なんて言えばいいのか難しいけれど。とにかく、どの国とどういう関係にあるのかっていうことは、ちゃんと認識すべきだなって私としては思っています。

ミカミ

韓国の方からすると、北朝鮮との関係や戦争がとてもリアルな問題として存在していて、普段は関係ないように装っていても頭の片隅には残っている。その肌感覚はよく伝わりました。

Iさん

正直に言うと、今の北朝鮮との関係をドラマの素材にするのは、私はあまり好きじゃないです。最近流行ってた韓国のドラマをおもしろいから見てねって勧められたけど、冷静な目で見てしまって、複雑な気持ちになってしまうので、あまり見たくない。

ミカミ

あー、わかります。まだ架空のお話にしていい題材じゃないって気持ち。僕は「ゴジラ-1.0」で同じような気持ちになりました。「ゴジラ-1.0」は戦後直後の話なんですが、描くならもっとちゃんとやらないと失礼すぎるんじゃないかって思いました。

なんとかの不時着なんかは、現在進行形ですし、余計にそういう気持ちになるかもしれないですね。

Iさん

そんなドラマができることこそが、今の人たちが戦争に対して鈍くなっているなって思います。

ミカミ

こういうまだ終わっていない話がエンターテイメントとして成り立つこと自体に対して、いいのかって思ってしまう。とてもまじめな意見だと思います。

Iさん

そうです。かといって、戦争のリアリティだけを描くのも、それを経験した人たちにとってはすごく苦しいことだとも思いますし。かなりセンシティブで微妙な部分です。

ミカミ

うん、本当に難しい。徴兵制の話を聞くと、やっぱりこういう話にもなってきてしまいますね。

もっとお話を聞きたいのですが、ちょっと長くなってしまうので、今回はこの辺りにしましょうか。よかったら第2弾もお願いします。

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