2023年12月26日、S・バンタム級の4団体統一戦として行われた井上尚弥 vs. マーロン・タパレスの試合。
わたしはオンラインで観戦しました。プロジェクターだと、かなりの迫力があります。
試合全体の印象
試合結果としては、井上選手の圧勝となりました。
これでクロフォードに続き、2階級で4団体を統一した史上二人目のチャンピオンとなったわけです。
ただ、試合前に多くの識者が予想していたような早いラウンドでのKO決着とはなりませんでした。
井上選手が4Rにダウンを奪った後はこう着状態が続きましたが、10Rにタパレスが耐え切れずに2度目のダウン。
30分ほどかけて少しずつ蓄積していたダメージの重さを感じさせるようなノックアウトでした。
試合の評価は分かれているようですが、絶賛が7割ぐらいの印象でしょうか…。
わたし自身の正直な印象を言うと、タパレス選手の頑張りやタパレス陣営の作戦など相手サイドに褒める点が多くある一方で、井上選手の動き自体は最近の試合の中ではかなり悪かったのではないかと感じました。
これほど上半身と下半身の動きがちぐはぐな井上選手を見たのは初めてのように思いますし、パンチを打ったあとにバランスを崩すことも多かったように感じました。10Rのダウンもどちらかといえば体力でなぎ倒すような形で、あまり美しいダウンには思えませんでした。
評論家の方たちが、今回の井上選手の試合内容を本気で絶賛しているのであればそれはそれでいいと思うのですが、完全無欠であるべき井上選手を少しでも悪く言えないような空気があってそこに忖度をしているとしたら、それは井上選手にとっても日本ボクシング界にとってもよろしくないのではと感じています。
タパレス選手の覚悟
今回の試合で私の予想外だったのは、タパレス選手が右のフックを強振し続けたことでした。
右フックが武器であることはもとより承知していましたが、井上選手の左ボディフックを恐れるが故に出せない、あるいは、序盤は出してもいずれは出せなくなるであろうと予想していました。
しかし、実際の試合では、タパレス選手の右フックを恐れて左ボディフックを出せなくなったのは井上選手の方でした。
自分のパンチの威力と集中力、そして意思の強さで、井上選手の必殺パンチを封じ込めたタパレス選手には賛辞を贈りたいです。
井上選手の次戦について
井上選手の次の対戦相手として、ルイス・ネリ選手の名前が発表されました。
ネリ選手は、当時WBC世界バンダム級王者だった山中選手とのタイトル戦において、ドーピング検査の陽性判定や体重超過といった問題を起こしており、彼を好きな日本人ファンはほとんどいないんじゃないかと思います。
ただ、そういう過去の経緯も含めて、マーロン·タパレス戦よりもはるかに盛り上がるかもしれませんが…
わたしとしては、ネリ選手はステロイド検査で陽性が出た選手なので、日本人選手と関わってほしくないと思っています。そんな選手にわざわざチャンスを上げる必要はないという感じですね。
確かにネリ選手はキャラが濃いだけでなく実力もあるため、海外でも間違いなく一定の話題を集めるでしょう。そういう点では、井上選手の対戦相手として意味のある相手だとは言えるのでしょうねぇ…
試合が決まれば井上尚弥選手を応援したいと思います！
